PROJECTS DETAIL
作品詳細

都市における木造高層建築の提案 - 木文化を継承する
静岡ウッドセンター -

氏名
石川 雄斗
所属
東海大学大学院 工学研究科
建築学専攻
研究室
杉本洋文研究室
作品概要

 日本の木造建築は、2010年の木材利用促進法の成立で大きく方向性が転換された。2020年の東京オリンピック施設や公共建築で木造化・木質化が推進されており、なかでも大規模木質建築の建設が盛んになっている。これまでは、木質建築の耐火性能から4層までしか建設できなかったが、木材の耐火性能を上げる研究によって、木材でも2時間耐火 を可能にする技術が開発された。そこで木質高層建築の道が開かれ、都市の中で木質耐火建築を実現できるようになった。
本修士設計では、日本の伝統木造技術を活かした日本らしい木造高層建築を提案する。これまでの大規模木質建築は低層の建築が多く、木質高層建築の提案はあるものの、国内では実現されていない。そこで国内外の木質高層建築の事例を調査研究し、そこから材料、工法、技術、デザインを分析した結果、日本の古建築が使っていた木組技術の発想を生かし、新しい技術や木材料を用い、中断面木材を使った「束ね材」と「重ね材」を組み合わせた透かし木組構造を考案し、木造高層建築を提案することができた。
静岡市の中心市街地に静岡ウッドセンターを計画した。プログラムは、県内の木材、木造建築、家具、木工製品に至るまでを、再発見しながら新たな木の創造と情報発信の役割する交流センターである。この建築によって木組を生かした木造高層建築を提案できたと考える。

 

プロフィール

1991年
静岡県生まれ
2013年
東海大学 工学部 建築学科 卒業
2015年
東海大学大学院 工学研究科
建築学専攻 修了