PROJECTS DETAIL
作品詳細
輪郭 − 大地と空
インド、ジャンムー・カシミール州
ラダック仏教僧院の調査と設計
- 氏名
- 桝永 絵理子
- 所属
- 東京藝術大学大学院
美術研究科 建築専攻 - 研究室
- 北川原温研究室
- 作品概要
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2年前インド、ヒマラヤ山脈近くのラダックをはじめて訪れました。 ラダックはチベット仏教が浸透しており僧院が沢山残るところなのですが、そこで私は大地と空に触れながらそれぞれの場を巡るような僧院建築に感動しました。全てを露にしてしまうかのような圧倒的な大地の中で、僧院から出ずに一生を過ごす人たちがいる。そういう人たちにとって建築は単なる機能性以上に、ある世界観や人生観を反映したものであるかのように感じられました。例えば僧侶が暮らす場所は、大地を背に、谷間から吹き寄せる風を受け入れる簡素さがあるのですが、西に沈む太陽を眺めながら眠る時間の流れが大切にされています。また建物の外壁は石灰を塗られており、補修する際に石灰が撒かれることで建物が大地と同化していきます。私はこうした大地と人、建築の物語のある場所に身を置きたいと思っていました。
そこでこの夏、修士制作で再度ラダックを訪れ、2ヶ月の間、実測等を通して大地と建築の関係やそこでの暮らしを分析しながら、砂や建物の外壁として使われる石灰を混ぜてスケッチをすることで光や音、風など様々な現状が立ち現れる素敵な空間を記述してきました。
また、調査の中で遊牧民の暮らす標高4200mを超えるチャンタン高原の谷地であるプガという地域に行くことがあり、遊牧民と暮らすうちに地域の問題を発見していきました。そこで、僧院での体験や調査結果をもとに、プガの大地で設計を行いました。
プロフィール
- 1988年
- 東京生まれ
- 2013年
- 慶應義塾大学
環境情報学部 卒業 - 2015年
- 東京藝術大学大学院 美術研究科
建築専攻 修了
作品イメージ
作品ファイル(PDF:6.5MB)