PROJECTS DETAIL
作品詳細
巡礼者のための建築
福島第一原子力発電所への巡礼路を
対象にして
- 氏名
- 石田 莞也
- 所属
- 東京電機大学大学院
未来科学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 空間デザイン研究室
- 作品概要
-
福島第一原子力発電所まで続く“巡礼路”とそれに付属する “巡礼者のための建築”を提案する。電力を大量消費してきた都市部から、各地の原子力にまつわる地を巡り、電力を生産してきた僻地へと向かう。巡礼の目印となるのは送電線鉄塔である。発電所から私たちの身近な生活に繋がる現代人が生きる上で必要不可欠なインフラであり、景観を阻害するとされてきた鉄塔や送電線に意味を持たせる。電気的動力を用いずに、徒歩や自転車で苦難や疲労を感じながら巡礼の旅に出る。
巡礼とは人が関心を引くものに聖性を見出し、それにまつわる特別な場所を巡ることである。その対象とするものの意義や場を何世代にも渡って受け継ぎ後世に伝えて来た。巡礼という非日常的行為・空間で得た経験は、色褪せることなく意識に残ると考えられる。
3.11に起こった大地震、津波、そして原子力発電所事故。あのあまりにも深い爪痕は東日本の大地と日本人の心に刻まれた。東日本大震災は、日本人にとって大きな転換点になっただろう。しかし、震災から3年あまり、人々からあの記憶は薄れつつある。「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉があるように“意識の風化”に対する戒めが必要ではないか。
巡礼という行為を用い風化を防止し、あの事象を後世に語り継つぐ。
プロフィール
- 1990年
- 大分県出身
- 2013年
- 東京電機大学 理工学部
理工学科
建築・都市環境学系 卒業 - 2015年
- 同大学大学院 未来科学研究科
建築学専攻 修了
作品イメージ
作品ファイル(PDF:9.1MB)