PROJECTS DETAIL
作品詳細

jango survive 小中学校の地域開放に関する
線形図式を用いた動線構成の考察

氏名
高橋 杏介
所属
東洋大学大学院 工学研究科
環境・デザイン専攻
研究室
工藤和美研究室
作品概要

95年の阪神淡路大震災以降、徒歩県内に点在している小中学校は緊急時の避難拠点や、生涯学習・交流拠点として、地域開放活動が進められた。現在では開放利用を設計条件に大きく組み込む事例も多く、今後も多様な広がりを見せると思われる。開放領域の拡大に従い、従来の限られた主体による校内の動線構成が、多数の外部利用者が入り込むことで複雑化すると考えられる。ここで一度、地域開放の視点から動線構成を捉え直すべきではないだろうか。
本研究では全132事例の多様なプランによる事例を一元的に比較・分析するため、想定された室の機能によって分節可能な物的水準の「分岐室/垂直室/非分岐室」と、それらが含まれる「閉鎖/管理/(準)開放」の各ゾーニングによる諸室の経路、即ち接続関係のみを抽出し、線形図式化した。そこから管理と準開放諸室それぞれの配置・接続傾向の特徴を見出だし、その組み合わせから16種類に分類した。さらに管理諸室の配置構成について特徴的な5種の分類と、地域開放において構成的に望ましいと思われる6つの考察結果を得た。

 これらを手掛かりとして、敷地の条件等を組み合わせつつ、秋田県横手市を対象とする、都市縮小と地域活性化を目的とした小中一貫校の設計を進めた。プロセス毎に線形図式による分析と考察を反映させ、案を機能的にまとめつつ発展させることで、この手法による平面計画の分析評価の有効性を示すよう試みた。

 

プロフィール

1990年
秋田県生まれ
2013年
職業能力開発綜合大学校
建築システム工学科 卒業
2015年
東洋大学大学院 工学研究科
建築・デザイン専攻 修了