PROJECTS DETAIL
作品詳細

<建築の終わらせ方>
を設計する
建物の取り壊しを越えて
引き継がれる地域性と風景

氏名
藍場 弘充
所属
日本工業大学大学院 工学研究科
建築デザイン学専攻
研究室
小川次郎研究室
作品概要

近年、取り壊しの決まった建物において、解体までの間にイベントや展覧会を開催するなど、いわば<建築の終わらせ方>を指向した事例がみられるようになってきた。こうした状況を踏まえ、本計画では、取り壊しが決まった建物の一時的な改装と、イベントの開催を通して、建築や地域の意味を住民同士で共有することが可能となる、<建築の終わらせ方>を考慮した設計を提案する。
実際に取り壊しが行われつつある地域を2箇所選び、それぞれの地域に適した<建築の終わらせ方>を設計する。対象1は、郊外にある団地に「まちの記憶展覧会」会場を設計し、失われていく地域性や、世代間の軋轢により解体しつつあるコミュニティを再構築するきっかけとなるイベントを計画する。対象2は、衰退期を迎えたシャッター商店街に、まちのギャラリーと寄合所を設計することで、街の変遷を振り返り、新旧の住人の交流が盛んに行われる、未来の街の姿について考える場所を計画する。いずれの対象においても、計画を主導・実践する人物として、「オクリビト」と呼ぶ活動家を想定する。彼が地域に訪れることから始まる一連の事象を、建築設計として扱う。オクリビトは、設計者としてイベント会場の空間構成を行う他、キュレーターやファシリテーターとして地域を巻き込んでいく役割を果たす。こうしたオクリビトの活動により、取り壊される建物が任ってきた役割を継承する、新たな建築像や地域像が生まれる。

 

プロフィール

日本工業大学 建築学科 入学
日本工業大学 建築学科 卒業
日本工業大学大学院
博士前期課程
建築デザイン学専攻 入学