作品詳細
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都市と自然の再構築
- アズマヒキガエルを指標とした善福寺川流域モデル -

奨励賞
氏名
佐野 優
所属
早稲田大学大学院
創造理工学研究科 建築学専攻
研究室
古谷誠章研究室
作品概要

庭にヒキガエルが来なくなった。両生類は、環境変化に弱く、近年カエル類を環境指標生物とする動きが定着してきている。人間に近しいヒキガエルの減少は、生態系にも悪影響であるが、同時に都市が緑に乏しく環境が悪いことを示している。また、都市の緑地は点在しているが、生態系には本来線状の繋がりが必要なのである。そのため本計画では、アズマヒキガエルを指標として地続きを創出する7つの手法を提示し、手法から自然と共存する住宅モデルの提案を善福寺川流域を敷地として試みる。敷地選定理由としては、東京都23区において生態系が辛うじて維持されている連続した緑地帯があり、護岸で固められた川を再生する市民活動があることが挙げられる。この手法が流域全体へ適用されると、葉脈状に地続きが広がり、雨水の地面への浸透や利活用によって、下水への流入が減るために川の治水と水質改善に寄与できるため、川を再生することができる。住宅モデルは、地続きを創出する手法を考慮しながら、基本モジュール化を行い、このモジュールを浸水域である敷地へ適用し、川と減築の関係を提案している。実現に向けては、護岸で固められた川を再生する市民活動ならびに自治体とも連携してゆく。本計画を川に沿って地続き状に都心へと展開することにより、都市と自然を再構築してゆくことができるという構想をもって本計画の展望とする。

プロフィール

  • 略歴
    1991年
    東京都出身
    2010年
    早稲田大学
    創造理工学部 建築学科 入学
    2016年
    早稲田大学大学院
    創造理工学研究科 建築学専攻 卒業予定
    受賞
    2016年
    早稲田大学設計賞 受賞