作品詳細
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辺境にいる

氏名
田代 晶子
所属
早稲田大学大学院
創造理工学研究科 建築学専攻
研究室
古谷誠章研究室
作品概要

ここは誰にでも存在するもうひとつの場所。日常から飛躍した空間へと向かう時、辺境の地へ辿り着いた時、そこはこれまでのしがらみから解き放たれた精神的にも自由な空間であるだろう。この地に降り立つと、そこから続いて行く道の中で時間と空間の感覚を失う。その場所が持つこれまでの記憶によって。ここは水のない砂漠。果てしない先の目的地を目指して、生き物たちは歩き続ける。この場所では人間も動物も同じで、水を求めてオアシスを目指している。「辺境にいる」という言語では説明不可能な状態を「記録」という行為によって空間に結びつける。二0××年 見渡す限り荒野。何もなくなった。広大に広がる景色の中で、何かを必死に探そうとしている。遠くに見える電柱はかつての人々や暮らしを想起させる。広大な荒野を歩く。そんな中、突然現れた一輪の花。今生きている自分を見ているようだった。空間が持っている様々な時代や人々の記録は、今を生きる自分と重なり合う。断片としての計画には、個人の意思、自由な意思を介在させることができ、時間の前後関係を立ち放つ空間の広がりをつくる。それは空間へ記録してきた人々の思いから派生させる。人生の中で積み重ねられてきた空間へ記録された人々の思いは、ある花や、断片的な物体から広がる空間として、物理的な距離とは関係なく浮かんでくる景色や場所であり、それぞれの人によって構成された情景として広がっている。

プロフィール

  • 略歴
    1991年
    山口県生まれ
    2014年
    早稲田大学
    創造理工学部 建築学科 卒業
    2016年
    早稲田大学大学院
    創造理工学研究科 建築学専攻
    古谷誠章研究室 修了