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斜床空間に関する分析および建築設計提案
- クロード・パラン「斜めの理論」に着目して -

氏名
徳田 翔太
所属
首都大学東京大学院
都市環境科学研究科 建築学域
研究室
小林克弘研究室
作品概要

 建築的な斜めの床(以下.斜床)は、1966年に建築家クロード・パランと思想家ポール・ヴィリリオによって近代建築における水平と垂直の二軸と今後くるべき情報化社会に対して、第三の建築空間の可能性であると主張した建築構成要素である。本研究は、パランらの「斜めの理論」を援用し、近年の斜床建築と斜床に関する理論を参照することによって、建築における斜床の理論的な位置付けを再考する。そして得られた知見を設計提案で応用し、斜床を用いた建築空間の可能性を示すことを目的とした。

 設計では、情報化社会の対象としてIT系企業のオフィスを選定し、斜床空間を用いた新たなオフィス空間を提案した。論文での分析・考察から【斜床空間の4スケール(都市・空間・人・家具)】【斜床空間の9つの構成手法】を抽出でき、それらをもとに、各スケールに応じた計画を行った。また斜床はある地点を結びつけるものとしてではなく、機能的な連続性をもつ【連続体】としてオフィス空間に応用した。都市・外部環境の連続、空間・機能の連続、個人と集団の視覚的連続、家具と床の連続の四つの連続体としての斜床空間を提案する。

 【連続体】としての斜床空間は、従来のオフィス空間を超えた新たなオフィス空間を創出し、都市・外部空間・内部空間・人・家具と新たな関係を構築し、その可能性を設計提案にて提示した。

作品イメージ

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プロフィール

  • 略歴
    1993年
    新潟県上越市生まれ
    2015年
    新潟大学 建設学科 卒業
    2017年
    首都大学東京大学院 建築学域 修了