作品詳細Gallery
Terrain Vague Network
- 都市のリダンダンシーと建築のふるまいについて -
- 氏名
- 岩本 早代
- 所属
- 東京藝術大学大学院
美術研究科 建築専攻 - 研究室
- 中山英之研究室
- 作品概要
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Terrain Vagueとは、都市において、もはや空虚で占有されていない、不安定で曖昧な場であると同時に未知性や自由への期待を想起させる場を示す造語(フランス語)である。主に空地や未利用地として現れるこの風景は、用途や活動の不在がもたらす、ある種の清々しさが魅力的だ。一義的な有為性の感じられない風景が、人間の本質的な部分に作用する、ある種の豊かさをもたらしているのかもしれない。そんなTerrain Vagueを、新しい都市の庭として迎え入れてはどうかと考えた。そこをいきものたちが行き来できるようにネットワークを構築する。そうして植物のダイナミックな動きを受け入れる新たな都市のネットワーク=Terrain Vague Networkを提案する。
「どんな種類の生物も環境なしには存在しえない。どんな種もそれ専用に作られた環境に生きることはできないし、どんな種も生態学的共同体の非破壊的なメンバーとしてでなければ生きてはいかれない。どのメンバーも、生きてゆくためには共同体の他のメンバーと環境とに順応せねばならぬ。人間もこのテストから除外されてはいない。」- ヤン・マク・ハーグ『人間とその環境』「都市の条件」
Terrain Vague Networkが実現された新たな都市は、ついに、人間の一義的な有為性を超えた、本質的な豊かさを獲得し始めることだろう。
プロフィール
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略歴
- 1991年
- 高知県生まれ
- 2015年
- 横浜国立大学 建築都市環境系学科 建築EP 卒業
- 2017年
- 東京藝術大学大学院 美術研究科 建築専攻
中山英之研究室 修了