作品詳細Gallery

商店街から住宅街への移行における連鎖的な住宅設計手法の提案
― 店舗併用住宅の特徴から導くパタン・ランゲージ ―

氏名
仲尾 梓
所属
東京理科大学大学院
工学研究科
建築学専攻
研究室
郷田桃代研究室
作品概要

 近年、商店街の店舗併用住宅が歯抜け状に専用住宅に建て替わり、商店街は住宅街に変わりつつある。商店街は、どのようにして住宅街になるべきか。一軒の住宅を設計することで、今後の住宅“街”としての環境形成につなげたい。店舗併用住宅の相補的な建ち方からパタン・ランゲージを考案し、それを用いて住宅設計を試みる。
 第一部では、店舗併用住宅を観察して54のパタンを抽出・創作し、第二部では各パタンについて1. 隣の建物との調和の方法 と2. パタンのコーディネート方法 を考え、54のパタンをひとつながりの構造に組み込んだ。こうして敷地のコンテクストに合わてパタンを選びとり、一つのパタンを手掛かりに一軒の住宅設計を展開させることを可能にした。第三部では、制作したパタン・カードを用いて隣り合う2つの敷地で条件を変えながら3軒の住宅をケース・スタディし、住人設定の違いと、設計者(パタン選択者)の違いによる2つの多様性を示した。
 互いに示し合わせる建築協定ではなく、パタン・ランゲージによって、時差を含んで環境をつくる。これが、「個」の住宅としての多様性をもちながら、「街」としてのまとまりを担保する新たな住宅設計手法である。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    2015年
    東京理科大学 工学部 第一部建築学科 卒業
    2017年
    東京理科大学大学院 工学研究科
    建築学専攻 修了
    受賞歴
    2012年
    東京建築士会 住宅課題賞2012 優秀賞2等
    2015年
    日本建築学会 全国大学・高専卒業設計展示会 出品
    2015年度 日本建築学会設計競技 関東支部 入選
    キルコス国際建築設計コンペティション2015 佳作
    2016年
    2016年度 日本建築学会設計競技 関東支部 入選