作品詳細Gallery
森になる川の遷り -桂川下流における動く河川公園の設計提案-
- 氏名
- 山崎 ひかり
- 所属
- 千葉大学大学院
園芸学研究科 環境園芸学専攻 - 研究室
- 庭園デザイン学研究室
- 作品概要
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日本の中流域の川は森へと姿を変えつつある。洪水攪乱の減少により遷移が進んだ川は、都市に秘境のような緑地環境を形成する一方、新たな洪水リスクをもたらした。そこで、京都桂川を対象に、小さい攪乱を増やし都市を守るインフラと攪乱と遷移が空間をつくる「動く河川公園」を提案、河川環境と治水の両立を目指す。動く河川公園は、攪乱を制御し都市を守る河川インフラである水制工の機能を、増幅に読み替え、〈動かないもの〉攪乱をコントロールする水制工、〈動くもの〉攪乱による植物群落の消長と河床の変動、によって形成する。現況の植生動態と流れ構造の分析から、川が持つ動きを増幅し、変動する空間をつくる。攪乱をコントロールする水制工の配置は河川シミュレーションソフトを用い、配置計画と設計した攪乱がもたらす50年間の変動予測を行った。
公園内は動きをつくる水制工の上に設置した木デッキが人の居場所となる。森になる川は、攪乱を繰り返し、密林と川の2極化した環境から、ヨシ原、森の中の入江、ヤナギの大樹の木陰と草原など多様な環境が立ち現れ、やがて50年に一度の大規模洪水を受け入れる姿になる。森になる川は都市に動くオアシスを提供し、訪れる人に自然のダイナミズムを伝える。
プロフィール
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略歴
- 2016年
- 千葉大学 園芸学部 緑地環境学科 卒業
- 2018年
- 千葉大学大学院 園芸学研究科 環境園芸学専攻 修了