作品詳細Gallery
重奏的連接旅行 アドルフ・ロース建築作品における段差の効果についての研究
- 氏名
- 鈴木 叙久
- 所属
- 東洋大学大学院
福祉社会デザイン研究科 人間環境デザイン専攻 - 研究室
- 櫻井義夫研究室
- 作品概要
-
空間体験がストーリーを伴って展開される時、その空間は体験する人や物語そのものに、どのように影響を与えていくのだろうか。
ゲーム「ICO」をプレイして、空間は物語を生み出し支える力を持つのではないかと考えるに至った。またアドルフ・ロースの空間にも、そのような力を感じた。
「物語を生み出す空間設計論」とは、物語の構造が不均衡から均衡へと移行していく時間的な経過、そのつながりを空間が補完することを目的とする。その手段をロースの建築作品より探った。
手段として、「段差(室体積高低差の変化)」「家具」「光」「室を分節するフレーム」等を利用して、内部で生活をする住人や客人の「視線」や「移動」、「位置関係」を操作する方法を見つけ出した。特に、段差が「見る・見られる」の複雑な関係性を生み出すことに着目し、その効果についての研究を中心に行った。
そこから得られた知見を元に、「物語を生み出す空間設計論」を実際に行い、人の視点から体験する為に、ストーリーのある3DCGのゲームを作った。
ゲーム空間は、段差が作り出すヒエラルキーによって建築内部を徘徊するロボットとの関係が複雑に変化する構成となっている。物語を支える力を持ったこの空間は、「体験」し「語る」ことで「複数の解釈」を生む。ゲームをプレイした人はデバッカーのような立場になり、その体験を語り合うことで、物語だけでなく、設計そのものを共に更新していく仕組みとなる。
プロフィール
-
略歴
- 1992年
- 東京都出身
- 2016年
- 東洋大学 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科 卒業
- 2018年
- 東洋大学大学院 福祉社会デザイン研究科 人間環境デザイン専攻 修了