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両律的均衡の建築
古代ローマ皇帝ハドリアヌスの別荘Villa Adrianaにおける「建築」と「大地」の造形原理の展開
- 氏名
- 鈴木 辰巳
- 所属
- 早稲田大学大学院
創造理工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 建築芸術論研究 赤坂 喜顕研究室
- 作品概要
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本研究の目的は、古代ローマ皇帝ハドリアヌスの別荘Villa Adrianaの形態分析を行うことで、「建築」と「大地」における起源へと遡及し、両者の関係性とその両者がもたらす風景の在り方を問うことである。 建築の構成を基底している空間の[構相]と、構相によって生じる建築と大地の力の[様相]という2つの基礎概念を定義し、[構相]を自律的・他律的・両律的、[様相]を均衡・不均衡と分類する。Villa Adrianaの形態分析から「建築」と「大地」における5つの造型原理:1.自律的均衡(テアトロ・マリティモ)、2.自律的不均衡(3つのエクセドラ)、3.他律的均衡(カノプスとセラピス神殿)、4.両律的不均衡(プティ・パレエ)、5.両律的均衡(ピアッツァ・ドロ)を見出す。
5つの造型原理を踏まえて、建築が大地あるいは風景に介入する上で「両律的均衡」の建築を最も優れている概念であるとし、修士計画:Villa Adriana遺跡観測施設計画を行うことで、現代における方法論として「両律的均衡」の建築を実践する。Villa Adrianaの「建築」と「大地」が並存する「両律的均衡」の建築から方法論を展開し、「建築」と「大地」が融合する「両律的均衡」の建築を計画する。
本研究の展望は、「両律的均衡」という概念が普遍的かつ局所的であるため、定義を拡張することで都市部あるいは他の地域において展開することである。
プロフィール
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略歴
- 1993年
- 東京都生まれ
- 2016年
- 早稲田大学 創造理工学部 建築学科 卒業
- 2018年
- 早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻 修了
受賞歴
- 2016年
- 卒業計画 金賞(1位)
- 2016年
- 国際コンペARCHASM「Liberty Museum」Finalist(ファイナリスト)
- 2017年
- 国際コンペARCHMEDIUM「Rome Contemporary Chapel」SecondPrize(2位)
(早稲田大学学生文化賞・早稲田大学校友会稲魂賞・小野梓記念芸術賞) - 2017年
- 国際コンペARCHASM
「Paris Riverside Restaurant」Honorable Mentions(佳作) - 2018年
- 修士計画 早稲田建築設計賞(1位)