発酵的建築
- 微生物と人間が堆肥する世界のための建築 -

氏名
武田 千緩
所属
千葉工業大学大学院
創造工学研究科 建築学専攻
研究室
遠藤政樹研究室
作品概要

人間が作り出してきた文化の一つに「発酵」という食文化がある。この現象の主役は目に見えない微生物である。微生物は地域文化をつくりだしてきた。目に見えないモノのスケールから時間歴史空間を超えて地域の核にまでなっているのである。しかしそれを目にすることは難しい。その隠されたネットワークを紐解いて、微生物の力を借りて建築を位置付けることで失われかけたネットワークを生き返らせることを目的とした。リサーチでは、酒蔵を中心に発酵菌がもたらす地域ネットワークを詳細に調査し記述した他、発酵的建築の手引き書を作成し蔵に現れる形から微生物の働きや地域の地形や背景をたどり記述した。敷地は調査の対象でもあった千葉県富津市金谷の空き家を選定した。100年に渡る発酵的建築計画を作成し、Phase1からPhase3計画を行った。空き家を酒蔵へと転用させ、繋がっていくネットワークに応じて用途を変容させていく。酒蔵から始まった空き家には、移住者を受け入れるゲストハウス、地域の農家の市場になり、水を汲みにくる人の居場所にもなる。
結果、地域の拠り所となり、祭りやハレとしての場を受け入れる地域の歴史をオブジェクトとしても背負うシンボル的なものと建築がなることが意図されている。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    1997年
    千葉県生まれ
    2020年
    千葉工業大学 創造学部 建築学科卒業
    2022年
    千葉工業大学大学院 創造工学研究科 建築学専攻修了

一覧へ戻る