光に浸かり
- 触覚で味わう光空間の探求に基づく市民センターの設計 -
- 氏名
- 宮内 さくら
- 所属
- 千葉工業大学大学院
創造工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 遠藤政樹研究室
- 作品概要
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公共性とは、自律的純粋空間こそ普遍的かつ永続的で、真の意味での自由選択が行われる場所であると考えた。自分が空間に溶け込んだのか、空間が自分のなかに入ってきたのか、自分と空間の境界が曖昧になるような空間は自己を自覚するような器となりうるという仮定を基に体験した空間を分析すると、そういった空間は写真に映りきらないことが判明した。体験でしか得られない感覚だからこそ、もう一度行きたいと感じさせてくる空間は自律した純粋空間である。
その中でも光に着目し、主観的視点と解析や測定を通した俯瞰的視点を用いて、身体の高さ方向にしたがって照度の異なる層状の光の存在を明らかにし、光に浸かるという状態を見出した。そしてそれを生む建築形態を検証し、公共性について考えるきっかけとなった綱島を敷地に選んだ。かつて温泉街であった綱島は、戦時体制下温泉は衰退し、今ではベッドタウンとなっている。地域の資料を読んでみると、温泉街であったころは、町中の人が裸の付き合いであり、コミュニティはもっと開けていたようだった。湯けむりで繋がっていた綱島。ここに、光を通して利用者のもつ感受性を刺激し高めることこそが公共の役割であるというコンセプトを元に使用目的でなく触覚的光の質によって場の違いを生み、温泉と図書館を併せ持つ市民センターを計画した。そうしたら、湯けむりは光と相性が良く、ふたたび湯けむりによって繋がる人々が綱島に蘇る。
Profile
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略歴
- 1998年
- 江戸川区生まれ 千葉育ち
- 2020年
- 千葉工業大学 創造工学部建築学科 卒業
- 2022年
- 千葉工業大学大学院 創造工学研究科 建築学専攻 修了
受賞歴
- 2019年
- C league 2019 千葉5大学 3年合同設計課題 奨励賞
- 2020年
- Luchta Challenge 2020 北関東賞
甍賞第回学生アイディアコンペティション 銀賞
「アフターコロナの世界」コンペティション 五十嵐太郎賞 浅子佳英賞 - 2021年
- 第8回 POLUS 学生建築デザインコンペティション 佳作
新建築論考コンペティション 2021 佳作