意識外領域を用いた設計手法
- 大和町商店街に拡がりをもたらす2つの操作 -

氏名
前川 凌
所属
東海大学大学院
工学研究科 建築土木工学専攻
研究室
野口直人研究室
作品概要

起伏が激しく狭長な街区が多い都市近郊は、物理的な拡がりを持たず個の活動で収束する限定的な空間となっている。全体性を有する、町単位での豊かな空間体験は可能なのだろうか。

分断された2つの領域において、大屋根やマテリアルなどの外的要因が介入することにより関連する空間であると認識することができる。そのようにしてできた空間は実際以上の拡がりを持ち、空間認識の常識を揺るがす可能性を秘めている。
本修士設計ではこのような領域を「意識外領域」と定義し、空間に応用することで限定的利用が為される都市近郊の町を拡がりのある空間へ昇華することを目的とする。

敷地は横浜市中区の大和町商店街である。JR山手駅を最寄駅とする一般的な近隣型商店街であるが、谷戸地で600mの直線道を持つこの地は強い軸性を持ち、活動を矮小化させている。

整っていたものを「崩す」、崩れていたものを「整える」という2つの相反する操作を施すことでこの地に新たなレイヤーとしての領域が重なり、既存形式だけに捉われない拡がりのある領域が生まれる。

アクセシビリティの悪さとイベントスペースの不足から交通機能と広場の機能を付与することで、流動的に町全体を緩やかに繋げる。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    1997年
    横浜市生まれ
    2020年
    東海大学 工学部 建築学科 卒業
    2022年
    東海大学大学院 工学研究科 建築土木工学専攻 修了

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