東京の自然
- 氏名
- 山田 寛太
- 所属
- 東京藝術大学大学院
美術研究科 建築専攻 - 研究室
- 環境設計第一研究室(青木淳研究室)
- 作品概要
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東京は水の都と呼ばれていた、という。ところが今の東京にはその面影は近代都市になるとともに消えていったという。
江戸時代、日比谷入江を埋め立ててできた軟弱な土地には外様大名の屋敷が多く建てられていたが、その際張り巡らされた掘割には、軟弱な地盤から水を抜くという役割もあったという。同様に小川や用水路にも、雨水だけでなく地中の水も循環しながら川を流れていた。
今では堀割の多くは埋め立てられ、敷地である恵比寿駅北の渋谷川は3面ともコンクリートで覆われ雨水のためのインフラ設備となっている。
掘割や川を通した地下水の循環は失われたかのように見えるが、当時、地表浅くに地下鉄が開削されていった。開削された地下鉄には現在、清水がこんこんと湧き出し続け、その湧水は人工物を流れていながら下水道ではなく河川に直接放流することが特別に認められている。それは地下鉄自身が地下水脈の一部として考えられているからだ。現在、地下鉄を通してかつての掘割や小川のような水循環が、3面ともコンクリートで覆われた渋谷川で再成立している。
そうであるならば、地下鉄湧水が減少するような防水工事をするのではなく、地下鉄が都市の中に生まれた水の循環系であることを評価した設計を考えてみてはどうか。
Profile
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略歴
- 1997年
- 東京都八王子市生まれ
- 2020年
- 武蔵野美術大学 造形学部 建築学科 卒業
- 2022年
- 東京藝術大学大学院 美術研究科 建築専攻 修了