接続的軒下設計論
近代以降の日本の公共建築の分析および朝霞市における設計提案

氏名
並木 雅人
所属
東洋大学大学院
ライフデザイン学研究科
人間環境デザイン専攻
研究室
櫻井義夫研究室
作品概要

屋根は人間を自然的要因から守るシェルターの役割を担うエレメントとして創造され、気候に応じて土着的な形態に変化をしてきた。日本の建築では雨の多い気候であるため、勾配のかかった切妻屋根・寄棟屋根などが古くから伝わり今日にも多く見受けられる。そして日本の勾配屋根の下には「軒下」と称される、内部と外部の空間をつなぐ、曖昧な空間領域が存在する。しかし近代化に伴い、陸屋根などの勾配を持たない屋根によって勾配屋根の表現が多く失われた。

そして、今日の日本では、勾配屋根に伴う軒下空間を持った公共建築は多く見受けられるようになってきている。それは、建築と外部の間に明快な境界線を作らない曖昧な空間が求められるようになっている近年の傾向に対して、勾配屋根とそれに伴う軒下空間の周辺環境との接続性が再び評価され、今日の技術を持って多様な表現が公共建築においてなされていると考える。

そこで、今日において見られるようになっている、勾配屋根と軒下空間を持った多様な表現がなされている「新建築」誌掲載のモダニズム期以降の公共建築の作品を掲載されている平面図・断面図からそれぞれ分析を行い、五つの軒下空間の接続性を導き出し、それらを用いて埼玉県朝霞市に設計提案を行った。この接続性を持った建築はその性質に応じて、周辺環境と様々な緊密関係を構築する。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    1997年
    埼玉県朝霞市生まれ
    2016年
    豊島学院高等学校 卒業
    2020年
    東洋大学 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科 卒業
    2022年
    同大学院 ライフデザイン学研究科 人間環境デザイン専攻 修了

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