正岡子規の俳句的建築空間
- 氏名
- 白馬 千聡
- 所属
- 日本女子大学大学院
家政学研究科 住居学専攻 - 研究室
- 篠原聡子研究室
- 作品概要
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俳句とは17音という文字数の中で人々にその情景や心情を伝えることのできるツールである。
数多存在している俳人の中でも、愛媛県松山市出身の俳人・正岡子規は「写生的俳句」を確立させ、「風景」を題材に見たものをそのまま表現することの豊かさを説いた。建築もまた風景を扱う分野であり、様々な制約の中で展開される分野でもあるところに俳句との親和性を感じる。
そこで正岡子規の俳句と建築について分析し共通項を見出すことで、俳句のように簡潔な表現でありながら、空間体験を通してその場所に存在していた情景、記憶が想起される俳句的建築空間を目指した。
子規の俳句論の特徴は大きく2つ挙げられる。一つは動物、植物、自然現象といった自然の季語のみ扱ったこと、二つ目は近景と遠景のみに焦点を当てて風景を捉えたことである。特定の場所全体の広いスケールに対してはより抽象的で大らかな印象を与えるように詠み、逆に近くにある具体的なモノに対してはより細かく具体的に表現することによって遠くから見た風景と、近くから見た風景のコントラストを生み出した。その俳句論を軸に柱とスラブの構造体とスラブのテクスチャによって展開する。時代の流れによって風化又は埋没化してしまった松山の歴史的風景を対象に、歴史と俳句の息遣いが感じられる建築を目指す。
Profile
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略歴
- 1996年
- 大阪府生まれ
- 2019年
- 東海大学 工学部 建築学科 卒業
- 2022年
- 日本女子大学大学院 家政学研究科 住居学専攻 修了