みかんと移ろう小さな島のものがたり

氏名
池内 真奈
所属
法政大学大学院
デザイン工学研究科 建築学専攻
研究室
赤松佳珠子研究室
作品概要

小さな島だからこそ起きる、地元住民群の太い繋がりに、都市型交流に慣れた移住者はどう交わっていけばいいのだろう。

大三島はみかんを生業としている島だ。かつてみかんを船で島内に集荷していたが、現在は生産量の減少によって船が廃止され、それに伴い港は閉鎖、周辺の離島をつなぐ定期船は衰退した。しかし離島の孤立は進み、島内に増加する移住者と地元住民との距離は深まるばかりだ。そこで私はもう一度舟運システムを復活させることで畑の再生を促し、移住者も生業に入り込みやすくなるのではないかと考えた。収穫の時期はみかんを運び、そうでない時期は大三島から周辺の離島へ移住者が行う店の出張サービスを提供するような舟運システムを提案する。離島に船をつなぐにつれて、移住者が離島を移ろいながら住むようになるのかもしれない。そうした、近い将来起こるかもしれないストーリーになぞり、島の個性が現われた小さな小屋を設計する。

設計にあたり、まず島を散歩し、見つけたお気に入りの場所をプロットした。並べていくと出会う風景が島らしさを構築する要素となっていることに気づいた。こういった島らしさは瀬戸内海の特徴的な気候から影響を受けているのではないかと考え、アイコン的に設計に取り入れていった。

これは、新たな船便によって離島に住む方々の日常が少しだけ豊かになり、船便を介して移住者と地元住民の生活が混ざり合っていく、小さな島のものがたり。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴

    愛媛県松山市で生まれ、神奈川県川崎市で育つ。
    趣味はバドミントンをすること、旅行に行くこと、地図を見ないで散歩をすること

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