前橋市平和祈念・防火帯建築資料館
- 前橋市に残る防火帯建築を活用した平和記念と復興の資料館の提案 -
- 氏名
- 石渡 智彦
- 所属
- 前橋工科大学大学院
工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 石黒由紀研究室
- 作品概要
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第2次世界大戦末期に日本の主要な都市は焦土と化し、その復興の中で全国の地方都市の中心市街地では、1950年代から1960年代にかけて都市の不燃化を目的とした「防火帯建築」という店舗兼住宅形式の不燃共同建築が建設された。当時の中心商業地において店舗と住宅を備えた近代的な建築が連続的に建てられたことは商店街に賑わいをもたらし、新しい都市景観を形成したといえる。
2022年現在、防火帯建築は築50年以上が経過し、地権者が複数存在するため大規模な修繕等の方策をまとめることが困難な中で、建物の老朽化や空き家といった問題で取り壊しの危機に瀕している。
一方で、横浜市や鳥取市など多数の防火帯建築が現存する都市では、防火帯建築の歴史的な意義を認め都市景観を維持する観点から、それらを保存・活用する運動が見られるようになった。
本設計では、前橋市において防火帯建築とみなせる19件の建物の実態を調査し、そのうちの県庁通りの建物について、前橋市の都市形成の歴史を伝え、市内の目抜き通りである場所性を最大限に活かした今後の活用方法を検討する。前橋市が戦災都市であり、市内唯一の平和祈念の資料館が閉館してしまったこと、防火帯建築は全国各地に建設されたが、まとまったアーカイブや資料館等がないことから、戦後都市復興として建設された防火帯建築を活用した、全国の都市の不燃化や耐火建築の歩みを紹介する機能も複合した、平和祈念と復興の資料館を提案する。
Profile
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略歴
- 1998年
- 千葉県生まれ
- 2020年
- 前橋工科大学 工学部 建築学科 卒業
- 2022年
- 前橋工科大学大学院 工学研究科 建築学専攻 修了