「リユースインフィル家具」を用いた新たな団地改修手法
- 多摩ニュータウン永山・諏訪・豊ヶ丘団地を対象として -
- 氏名
- 建入 大地
- 所属
- 明治大学大学院
理工学研究科 建築・都市学専攻 - 研究室
- 建築空間論研究室
- 作品概要
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建築と家具の両義的な性能を持ち,それらが分解可能で繰り返し使用することができる「リユースインフィル家具」(以下ReIF)を用いて新たな団地改修手法を提案する。これは間取りに対する居住者の選択の自由度と,空間の可変性を向上させ,団地の寸法体系を活かした汎用可能な改修方法である。従来の団地改修手法を分析した上で問題点を明示し、類似の「インフィル家具」についてのリサーチを行なった上で、「ReIF」の設計指針を以下の4つに定めた。①ユニット化②可動性③団地に適合する寸法④インフィルと家具の両義的な機能
改修のフローは、まず空き部屋の構造体を除く間仕切り壁や襖を撤去し、居住者が「ReIF」を団地の所有者から賃貸契約とは別にリース契約する。最終的に退去時にそれらを解体し団地の所有者に返却されるという流れである。
そして設計した「ReIF」を今回対象とする永山・諏訪・豊ヶ丘団地に配置し設計提案を行なった。結果として、インフィルの動産化や他用途にも転用できる汎用可能性,多様化する「家族」への順応,一室空間の有効利用,これまでの「個室主義」の解体,身体スケールの延長で空間を構成できるといったことが期待でき、建築と家具の両義性と繰り返し使用できるリユース性を有し,それらが団地というハコの中で,自由に入れ替えられるものとして機能したという点から,新たな団地再生手法として位置つけることができた。
Profile
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略歴
- 1997年
- 神奈川県生まれ
- 2020年
- 明治大学 理工学部 建築学科 建築空間論研究室卒業
- 2022年
- 明治大学大学院 理工学研究科 建築・都市学専攻修了