スキマから考える居場所あるまち

- 閉じながらも開く住まい方の提案 -
氏名
宮島里帆
所属
神奈川大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
六角研究室
作品概要

自分の居場所はどこだろうか。私は幼少期に引っ越しを繰り返し、明確に故郷と呼べる場所がない。今では慣れ親しんだ街でさえもよそ者感を受ける時がある。社会的にも生活が多様化して人の移動が増えた今、初めて訪れたまちでも自らの居場所を見つけられる、そんなまちや建築を考えたいと思った。
そうした背景の中で、境界としての役割・まちを知るきっかけ・可変性といったポテンシャルを持つスキマに、深い関心を持った。さらに、そこに溢れ出た人の振る舞いや生活にどこか懐かしさや温かみを感じ、こうした身近にある人々の暮らしの跡が、住民だけではなく初めて訪れた人をも受け入れる余力のある都市を形成していくと考えた。そこでスキマの調査から建築の境界性がどうあるべきかを考察し、その表れとして塀を内部化することで閉じながらも開く新たな住まいかたを提案する。
スキマは、人々の暮らしの中で自然と生まれた住宅街の中の小さな隙間を手がかりとし、住まい手が自発的に空間を伸縮させて境界を変化させる行為を誘導する都市へのアプローチである。ここで生まれるオープンスペースが連携されてコモンズのネットワークとなるとき、そこは閉じながらも開く、人の居場所あるまちになるのではないか- 。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 神奈川県川崎市生まれ

2022年 神奈川大学 工学部 建築学科 卒業

2024年 神奈川大学大学院 工学研究科 建築学専攻 六角研究室修了