物語没入装置

氏名
土師京祐
所属
千葉工業大学大学院
創造工学研究科 建築学専攻
研究室
遠藤研究室
作品概要

この作品は、文学におけるレトリックを建築へ応用するものである。文字を通した視覚+脳による不思議な没入可能性を示した作家村上春樹に倣い、それを身体感覚全体での操作として表現したものをここでは「物語没入装置」と呼んでいる。
僕はこれからの人生物書きとして生きていこうと考えている。僕が影響を受けた物語はいくつかの小物語によって構成され、それがつくりだす世界は言葉によるレトリックによって読者を没入させることを可能としている。僕の小説から発見された20のレトリックと建築との相同性が確かめられ、3次元空間へ展開する「詩的空間操作」というものを試行した。
設計段階においてこの操作が適用されるのは、子どもの道くさ遊びの場においてである。街をあげての子どもの遊び場確保が期待されている千代田小学校周辺を対象敷地とし、その3つの敷地に、銭湯、図書館、映画館を計画する。子どもたちには居場所が必要といわれて久しいが、子どもたちはこの建築を体験することによって個々の世界観を膨らませることができ、その場こそ彼らの居場所となる。
しかしながら、この建築が自らメッセージを発することはない。子どもたちに微細に関わる透明な存在である。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年、千葉県市原市に生まれる。

2022年4月、千葉工業大学大学院創造工学科建築学専攻に入学。

2024年3月、千葉工業大学大学院創造工学科建築学専攻を修了見込み。