彷徨する建築

- エドワード・ゴーリーの絵本構成を利用した建築の提案 -
氏名
髙塚玲菜
所属
東京電機大学大学院
未来科学研究科 建築学専攻
研究室
建築設計研究室
作品概要

アメリカの絵本作家・エドワード・ゴーリーは、自身の絵本のアイデンティティである「独特の韻を踏んだ文章」と「モノクロ線画による挿絵」を用いてユニークな世界観を表現する。ゴーリーは、「子供と不幸を遠ざけない絵本」を描き、私たちがどこか遠ざけている不条理さや不気味さを描く唯一無二の絵本作家である。本設計では、ゴーリーの世界観が描写される「独特の韻を踏んだ文章」=【言語表現】と「モノクロ線画による挿絵」=【視覚表現】を始めとしたゴーリーの思想を、設計する出版社に取り入れ、出版活動を行う大人を刺激する、クリエイティブな空間設計とすることを目的とする。また、ゴーリー絵本の構成要素を分析し、展示空間に組み込むことによって、実空間におけるゴーリーの作家性を多方向から楽しむことができ、利用者それぞれが異なる楽しみ方をできる空間としている。ゴーリーの表現方法は一定のルール【定形性】の中に一癖ある引っ掛かり【意外性】が組み合わさってできたものだと考え、その表現が顕著にみられた絵本から7作品を選定して設計をした。また、ゴーリーはヴィクトリア朝の影響を受けており、視覚表現の中に描かれる【背景】部分には、その時代を示すような装飾が散りばめられた建築空間が多く描かれており、これをゴーリーの考える建築空間と読み替え、建築設計の手がかりとしている。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 埼玉県越谷市生まれ

2022年 東京電機大学 未来科学部建築学科 卒業

2024年 東京電機大学大学院 未来科学研究科建築学 修了