“考えること”と“作ること”を繋げる小屋

氏名
水野誉也
所属
東京都市大学大学院
総合理工学研究科 建築・都市専攻
研究室
福島研究室
作品概要

工業高校で “作ること”を中心に学んだ “私”。大学と大学院で “考えること”を中心に学んできた “私”。分離してゆく二人の私を繋げる。そんな私的なことから発想を始めた。このことは建築教育において考えることと作ることが分断していることを意味する。“考えること”と“作ること”を繋げるということは、組立てをデザインに取り入れていくこと。そして、組立て方で、建築空間に影響を与えることは可能ではないかと仮説を立てた。そこで、今回その分離を繋げるため、大学のキャンパス内で小さな小屋で実験的設計を行った。
制作にあたり、一人で組立て可能、都心のホームセンターで調達できる材、簡易な道具や接合などといった制限を設け、それらを自らの空間のイメージ「考えること」と技術や背景、コストなど「作ること」をぶつけ合い、考えが変貌してまた作ることをぶつける。それを繰り返すことで当初の意図とは乖離していく。そして一人で組み立てるために必要な仮説部材を残し、ときには増幅させるようにしてデザインをしていく。このようにして生み出された建築は組み立てを遡ることができる。それは私以外の第三者がみた際にその建築に手を加えたくなる隙のようなものとなる。これは組み立てが空間の質に影響を与える。このように、一つの完成品ではなく、その途中過程をデザインに着目することが成熟社会におけるデザインのあり方なのではないだろうか。

作品イメージ

Profile

略歴

2000年 東京都立川市生まれ

2018年 千葉県立市川工業高等学校 卒業

2022年 東京都市大学工学部建築学科 卒業

2024年 東京都市大学大学院総合理工学研究科建築都市専攻 修了