環境配慮的建築形成論

- 日本橋浜町のテナントビルと福岡県大木町の庁舎を対象にしたZEB化改修提案による検証 -
氏名
神山祥太
所属
東京都立大学大学院
都市環境科学研究科 建築学域
研究室
一ノ瀬研究室(建築環境設備)
作品概要

2030年度までの二酸化炭素排出量の削減目標を達成するためには、2030年度までに約200万トンの排出量を削減する必要がある。そのため政府として、新築のZEB化だけでなく既存建築物のZEB化改修も推奨しているが、現状としてZEB化改修はあまり実施されていない。その原因として、ZEB化改修がオーナーにとって必要性や緊急性のない改修のため具体的な行動につながらない点が挙げられる。一方で、二酸化炭素排出量を抑える再生手法としてリファイニング建築が注目されている。リファイニング建築は既存躯体を活用しながら中古建築物を機能的・耐震的に新築と同等に生まれ変わらせる点で期待されている。しかし留意点として、イニシャルコストにおける設備費用は一般的な新築と同等のため、ZEBを考慮すると現状のコスト水準を達成するのが難しくなる。そこで、最低限な設備改修と再生建築でみられる建築的改修手法で省エネ等の機能性と執務環境改善を実現する意匠性の双方を兼ね備えたZEB化改修手法が今後必要になるのではないかと考えた。そこで本研究の目的として、現状の省エネ手法の把握と省エネ性や執務空間改善に配慮した建築的改修手法の省エネ効果評価を行う。そして、改修提案では研究で得た手法の検証と新たなZEB化改修の1つの指針を示す。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 東京都町田市生まれ

2022年 東京都立大学都市環境学部建築学科 卒業

2024年 東京都立大学大学院都市環境科学研究科建築学域 修了

受賞歴

SABED環境シミュレーション設計賞2022 奨励賞

環境・設備デザイン賞「学生のための環境デザイン設計競技」2023 優秀賞