「生産緑地内建築」

氏名
竹居 英人
所属
東京都立大学大学院
都市環境科学研究科 建築学域
研究室
小泉雅生建築計画研究室
作品概要

都市内に畑があることの意義はなにか。

高度経済成長期以降、「不要なもの」として位置付けられてきた都市農(都市農業及び都市農地の両方を指す概念として使用する)であるが、近年では都市景観や都市防災等の食糧生産機能以外の役割が再評価されている。都市住民による農を取り入れた暮らしの現れともいえる市民農園や体験農園も社会に根を下ろしつつある。このように都市農は保全対象としての位置付けを獲得してきた一方で、依然として都市における農地面積や就農人口は減少傾向にある。
2017年に成立した都市緑地法等の改正法案により、生産緑地地区における建築規制の緩和が規定され、一定の条件下で新たに農業関連施設(以下生産緑地内建築)の建設が可能となった。建築に生産緑地を救う可能性があると期待されているのである。しかし実施事例は未だ多くなく、都市農振興に向けた一つの解であるという認識の上にない。生産緑地内建築は都市住民だけでなく農家にすら浸透していない。
これは、都市農の保全を目的として、生産緑地の役割分担図をもとに選定した対象敷地における、都市農の意義と生産緑地内建築そのものの価値を発信する、生産緑地の活用方法及びその建築設計手法の提案である。

畑を潰すことで畑は守られる。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 東京都生まれ

2022年 東京都立大学都市環境学部建築学科 卒業

2024年 東京都立大学大学院都市環境科学研究科建築学域 修了