身体感覚誘発設計論
- 氏名
- 小林泰
- 所属
- 東京理科大学大学院
工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 坂牛研究室
- 作品概要
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本提案は身体の感覚によって認識される空間を設計する方法を示すことを目的としている。私たちは身体とともに建築空間を体験している。しかし近代以降建築は写真などのメディアの発達に伴って、視覚情報が優位性をもって認識されるようになった。近年のSNSの普及とともにこの傾向は顕著になっている。そこで本提案では「身体感覚による空間把握」を定義し、これを誘発する建築の設計手法の提案をする
「身体感覚による空間把握」を誘発する空間を実際に筆者が体験する中で見出し、その特徴を分析によって明らかにした。この分析をもとに、「身体感覚による空間把握」を誘発する建築を設計する手法として以下の二つの手法を用いた設計を行う。
1.身体の運動との距離感が近くなるものの配置(接近)
2.身体の運動が行われることを予想させる形態の設計(混雑)
敷地は八王子市の住宅地にある。ここに5人の学生が生活する学生寮を提案する。運動に着目した本提案では動線に多くの手法が重ねられている。学生寮のような共用部が多くなるプログラムでは生活の中での移動とともに自己の相対化が促される提案となる。