バリアの裏側とその行方
- 氏名
- 半田智大
- 所属
- 東京理科大学大学院
創域理工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 岩岡研究室
- 作品概要
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車いすの人が住む家と聞いて何が思い浮かぶだろう. 多くの人が平屋で段差がなく入り口にはスロープが備わっていて, 住宅内部のいたる所に手摺がついた家を想像するのではないだろうか. 確かにそんな家があったら不自由もなく多くの車いすの人が住めるでしょう. しかし, どんな家に住んでいようと一歩外に出れば, 道路に出る際には段差があり, アスファルトの地面ではガタガタと前輪が悲鳴をあげる. いくら制度が成長しようとも俗にいうバリアがなくなることはないのである. であるならば, 社会で生きていく中で感じるバリアを新しい形で住宅に引き入れることはできないだろうか. つまりバリアをなくすのではなくバリアの新しい姿を見つけ建築を通して車いすの持つ世界を体感してもらおうというわけだ. そのため日々感じるバリアの裏側とそれが建築に何を要求するのかを研究し車いすを利用する者の視点からバリアフリーに留まらない住宅とその住まい方を見直す. この「バリアの裏側」とは車いすでバリアに対峙した時に生まれる情緒のことであり, これを読み解くことで他者に閉鎖的であった車いすでの生活が開かれ, 建築との妥協点ではない付き合い方が生まれる. つまり私が行ったことは具体的な敷地に対して自身のバリアの背景を手引きにあらゆる他者との関係を再構築していくことであり, これはバリアの裏側とその行方を模索するライフワークとなる.
Profile
略歴
2024年 東京理科大学大学院 創域理工学研究科 建築学専攻 修了