風景と形の翻訳

- 益子町の開かれたケア空間 ‐
氏名
平澤美織
所属
東京理科大学大学院
創域理工学研究科 建築学専攻
研究室
垣野研究室
作品概要

昨今のケアの場は、サービスの充実に建築が加担しすぎることで人は建築にケアされるだけという一方的な関係性になっているように感じる。
建築と人がケアする/されるという関係が絶え間なく変わり続ける開かれた空間こそケア空間に必要ではないか。敷地である益子では場所らしさを代表するものばかりではなくそこでの営みを想像させる豊かなモノたちに出会った。自分たちの力で持続的に土地や建築に関わり続けることは建築を開いていくきっかけにならないだろうか。本設計では風景や形をケアの空間へ翻訳することで開かれたケアの空間(助産院、薬局、小児科、直売所、放課後スペース)を設計する。
本設計のプログラムから現れる、使う人や働く人などのシーンの書き出しと、リサーチによる風景や形を写真・スケッチを用いながら分析を行い、それら二つを重ね合わせ建築の部分を設計し、そこから想像される機能やシーンより全体を構成した。
助産院、薬局、小児科という内部に閉じられがちな機能を外に開くだけでなく、町の共有可能な言語を翻訳することで、この建築に関わる人が自ら空間に対して小さなアクションを行い、使われ続け、人、モノ、建築の関係が変わりながら維持されていく。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 埼玉県生まれ

2022年 東京理科大学理工学部建築学科 卒業

2024年 東京理科大学大学院創域理工学研究科建築学専攻 修了