現代都市の中層集合住宅におけるプライバシーの設計

‐ 暮らし人寄り添う生活領域 ‐
氏名
奥墨鴻太
所属
東洋大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
建築設計研究室 / 伊藤暁研究室
作品概要

プライバシーを得ることで外界と接続する中層集合住宅を設計した。

現代都市の集合住宅は、プライバシーが欠如している。
近年の集合住宅は経済原理によって均質化し、閉鎖的になっている。それにより個人の領域は固定化している。一方、住み開きや中間領域を設けている集合住宅は、誰かと関わる事を前提に計画している為、関わりを求めない人にとっては、脅迫感があり、窮屈さを感じさせる。このどちらも住人が外界の情報を取捨選択する権利がなく、プライバシーが欠如している。『「プライバシーとは、個人、グループまたは組織が、自己に関する情報を、いつ、どのようにまたどの程度、他人に伝えるかを自ら決定できる権利である。」と政治学者ウェスティンによって定義されたものである。外界の情報への選択可能性を得ることで、閉鎖的で固定化されている領域内に、外界のあらゆるモノやコトを享受できる集合住宅になるのではないだろうか。居住者が領域を広げるために住戸内部から表出物を表出し、その表出物を別の居住者が観測する。それを真似するように居住者が表出していく。その関係が連鎖的に起こることで出来る、間接的な繋がりによって外界の情報を得る。それにより、多様化している現代都市における様々な暮らし方や外界との関わり方を支える集合住宅の形を提示する。

作品イメージ

Profile

略歴

2000年 埼玉県戸田市生まれ

2022年 東洋大学 理工学部 建築学科 卒業

2024年 東洋大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修了