日常の風景をつむぐ

トンネル坂の環境リノベーション
氏名
髙宮弥
所属
日本工業大学大学院
工学研究科 建築デザイン学専攻
研究室
足立真研究室
作品概要

地方のまちでは空き家の増加が問題視されており、沼田市の河岸段丘にあるトンネル坂においても日常の動線として利用されていながら寂れた雰囲気の場所となっている。しかしながら、不便さ故にこれまで少しずつ手が加えられてきた暮らしの跡や、地形そのものの迫力によって魅力的な風景をみることができる。本計画では、地形と建物がつくるトンネル坂の空間的特徴を捉え、既存の状態に寄り添いながら新たな環境形成へ引き継ぐリノベーションを行うことを目的とする。トンネル坂は、群馬県沼田市にある河岸段丘の影響によって生じた70mの高低差をもつ急な坂道で、上段の市街地側は上町、駅のある下段側は下町と呼ばれており、小学生や電車通学をする高校生の登下校時にも利用されている。リサーチでみつけたトンネル坂の魅力は、建物やモノといった人工物から植物や水の流れといった自然のもの、地形などさまざまであった。そこでそれらを等価に扱い、その総体をトンネル坂の「環境」として一体的に捉えてリノベーションの対象とすることで、これまで培われてきた時間を感じながら自由な空間の形成を考えられる。また、特徴が集中する範囲や変化する境界を見出し、10のエリアに分けた。エリアごとの特徴を活かした環境のリノベーションを行い、トンネル坂を主軸にいろいろなエリアに引き込まれていくことで、日常を豊かにするたくさんの体験と魅力的な風景に出会うストーリーをつくる。

作品イメージ

Profile

略歴

2000年 群馬県沼田市 生まれ

2022年 日本工業大学建築学部建築学科生活環境デザインコース 卒業

2024年 日本工業大学大学院工学研究科建築デザイン学専攻 修了