荒川クラフターズ・タウン

道との関係から考える暮らしの場
氏名
湯野川慈恩
所属
日本工業大学大学院
工学研究科 建築デザイン学専攻
研究室
小川次郎 研究室
作品概要

かつてわが国では、道に面してミセ、その奥にイエをもつ長屋等の職住一体型建築が多くみられた。また道では、商売を始め住人同士の井戸端会議や子どもの遊びなど多様な活動が行われていた。しかし都市の近代化と共に、道は自動車交通が優先され、人々の活動の場としての性質を失っていった。さらに、用途に応じたビルディングタイプの進化によって、それぞれの活動は建築に内包されるようになった。空間的な仕切りによって、人々の活動による繋がりは失われ、道における活動風景はみられなくなった。一方で近年は、リモートワークの普及等に伴い柔軟な働き方が可能となったことから、SOHOや小規模の店舗を組み込んだ住戸など、新たな職住一体型建築がうまれつつある。
そこで本計画では、既存の建築ストックと道との関係を再構築することを通して、職と住の新たな関係に基づく暮らしを提案する。ここでは、長屋形式の商店と閉業したことで専用化された住宅が混在する、荒川区仲町通り商店街とその周辺の生涯学習センター及び、駐車場付き木造3階建住宅の3つの建築種を対象として、近年注目されている小規模なクラフト産業を組み込んだ計画を提案する。商店長屋や木密住宅、地域施設の改修および建替によりそれぞれ、創作の場・学びの場・小商いの場を提案し、道との関係を手掛かりにまち全体にものづくりに根差した空間が展開する可能性を示す。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 東京都生まれ

2022年 日本工業大学 建築学部 建築学科 卒業

2024年 日本工業大学大学院 工学研究科 建築デザイン学専攻 修了