PROJECT F

- 空間の〈多焦点〉化のメカニズムに関する研究及び設計提案 -
氏名
波多野諒
所属
日本大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
古澤大輔研究室
作品概要

主体の複数のイメージに結ばれるような「多焦点」な建築を「生成」したい、という動機からこのスタディは始まった。夏目漱石は、「f+F」の文学構造において、小説内の無数の感覚情報(f)は一つの焦点(F)に結ばれるわけではなく、焦点同士をつなぐ連結の様態となる、という見解を示している。(この構造を建築の〈多焦点〉化に応用する目的で、原子モデルを参照して図式化を試みた。目の前の観察物である「客体」と「主体」が観察後に想起するイメージを結びつける役割を担うのが、「客体」に備わる感覚情報であることを示す図式。)さらに、時代を遡れば、西洋のバロックの建築は、外側と内側の「落差」が激しく、まるで1つの建築に複数の世界が同居しているようである。これらを参照し、建築の「外見」と「内見」を別々に「生成」する方法を試みた。はじめに、「外見」、「内見」それぞれ別々に積極的な不安定性に着目した造形スタディを行った。その際、中心化された全体性をもつ形状から逃れ、不安定な形状を「生成」することが可能な「手法」を用いた。そして、「外見」、「内見」の造形終了後に2つを1つに統合する。最後に、プログラムや素材を「事後的」に決定し、設計提案として着地させた。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 愛知県春日井市生まれ

2022年 日本大学 理工学部 建築学科 卒業

2024年 日本大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修了