福祉事業所とまちの条件

氏名
竹山周作
所属
法政大学大学院
デザイン工学研究科 建築学専攻
研究室
下吹越武人研究室
作品概要

発達障がい者にとって働くこととは。
過去、このような障がいを抱えた精神・知的障がい者は社会から隔離された生活を余儀なくされてきた背景がある。それは現代においても残されており、彼らが社会復帰を目指していくための働く場「福祉事業所」ではそこで働く人々の活動を隠すように成り立ってきた。一方で多くの時間を家で過ごす彼らにとって福祉事業所は日常の中で社会と関わりを持つ生活の拠点であり、家を離れまちに出ていく機会をつくる役割を担っている。そんな人間の活動力を養う場所を賃金や成果など近代が追い求めてきた資本主義的な枠組みで語るのではなく、一人の人間として社会的参加が実感できる「福祉事業所」として再考するべきなのではないかと考える。
そこで福祉事業所の実態を調査すべく、7か所の福祉事業所と1か所の特別支援学級へと見学に行き、支援員とそこで働く利用者との対話を行うとともに平面計画とそこでの作業内容をスケッチにより記録していった。それらの記録を経て社会に対する福祉事業所の関わり方、そして難しさを抱えた人々に対する建築的アプローチを模索する。私は見学調査より福祉事業所で働く利用者や支援員のあたたかさを身をもって感じた。福祉事業所はまちに対して閉ざされる存在ではなく、まちのふるまいを抱擁する可能性を持っていると考えている。この計画は福祉事業所がまちを再生し、まちがここで働く利用者を見守っていく風景を描く。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 北海道苫小牧市生まれ

2022年 法政大学 デザイン工学部建築学科 卒業

2024年 法政大学大学院 デザイン工学研究科建築学専攻 修了