かつて賑わっていたアーケード商店街は、進む老朽化と空き店舗の増加により各地で撤去が進んでいる。単にアーケードを撤去するのではなく、現代のニーズに合わせてアーケードをリニューアルすることで新しい価値を見出せないか。そこで、昭和レトロな雰囲気が残る弁天通り商店街に、年代問わず誰もが学びに来ることができるフリースクール（自由な学び舎）を提案する。アーケード内を一本の大きな廊下として捉え、廊下からアクセスできる１、２階部分に教室（学び舎）を配置。3階以上には、学生寮やシェアハウスなどのプライベート空間を配置し、大学生や社会人の居場所をつくる。１階だけがオープンスペースとなっている現状断面を再考し、“歩くことを楽しむ”場所になるよう改築操作による様々な断面形状を創出することで、動線や居場所を生み出した。本来人々にとって第3の場であるべき商店街に、子どもたちにとって第3の場となるフリースクール、学童、塾や習い事の場、大学生や社会人にとって第3の場となるカフェなどのオープンスペースを介入させることで、商店街の第3の場としての魅力をより引き出せるのではないか。この場所は、誰もが第3の場として利用し、自分の好きな居場所を見つけられる。そして多世代交流の場となり、人々で賑わい活気のある商店街になっていくだろう。