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- 空間資源の現状を考慮した郊外戸建住宅地の計画的ストックマネジメントに関する研究 -
氏名
波島諒
所属
明治大学大学院
理工学研究科 建築都市学専攻
研究室
構法計画研究室
作品概要

開発から50年が経過した郊外の戸建住宅団地において、空間ストックとして最も多い量を占めているのは空き家でも空地でもなく空き部屋である。しかし、だれもが知っている空き部屋という存在は今までほとんど研究されてこなかった。もしこの空間を有効に活用することができたら街はどのように変わるだろうか。
郊外の戸建住宅団地の本質的な特徴は「同質性」と「排他性」であると考える。そこで<住人構成><用途><所有形態><空き部屋のパタン>の4要素に注目し、従来の郊外住宅地では想定されていなかった条件を前提とした「ずらす」住宅更新モデルを提案する。豊穣な選択肢を持つ住宅の更新モデルを作成し、各要素間の関係の解明および接続を強化する仕組みの確立したうえで、その有効性を検証することを目指す。
具体的には空き部屋の現状とヒアリングの結果を考慮しながら、郊外住宅地における社会構造と都市構造の解体と再構築を8軒の住宅を対象に試みることで、将来の「標準的な」郊外住宅地のあり方を提示する。空き部屋を利用した仮想人口を増やすことで、豊かインフラを享受可能な都市生活のオルタナティブを描く。
サブテーマとして以下を掲げる。
1.依存の関係(子育て・介護等)をどう組み込むか
2.郊外のもつリズムを街にどう表出させるか
3.アソシエーションを核とした複層的な共同体をいかに構築するか
これらの連鎖が現在の硬直した都市構造と社会規範を打破すると確信している。

作品イメージ

Profile

略歴

2022年〜現在 明治大学大学院理工学研究科建築・都市学専攻 博士前期課程

2024年〜明治大学理工学部 助手