読売会館更新計画

- 速度を内包する建築 -
氏名
髙相拓己
所属
早稲田大学大学院
創造理工学研究科 建築学専攻
研究室
宮本佳明研究室(建築意匠論研究室)
作品概要

本研究は自身の卒業論文「村野藤吾の設計手法に関する研究-建築と車路の混交-」を端緒とする。村野藤吾は日本のモータリゼーションの時代に建築と自動車の関係性について先駆的に設計を行ってきた。なかでも車路を半屋外空間に引き込む手法が多くみられ、車路が押し込められる建築主体の構成から車路の形状に合わせたホールや柱の配列がみられる車路主体の構成へと変化しながら継続的に行われてきた。昨今、老朽化した村野建築に対し解体が検討されるなか、本計画では村野の車路を用いた設計手法を拡張し、有楽町ビルヂングをはじめとする周辺建築やKK線など再開発が活発化する有楽町の読売会館(1957年)のコンヴァージョンを提案する。読売会館のJR高架線路に由来する曲線を斜辺にもつ三角形敷地、柱スパン6mの直交グリッドに押し込められた7-9階のよみうりホールの輪郭を手掛かりに車路、競技トラック、スケートボードパークと新たな動きに合わせた空間を挿入することで建築と多様な速度が混交する屋内競技場を設計した。既存のガラスブロックによる水平性が強調されたファサードに対し、多様な速度を内包した移動空間がオーバーラップして有楽町のまちと対峙する。地上からの移動空間は7階へと続きよみうりホールは改めて人のための空間と位置づけられる。変わり続ける都市の動きと絶えず混交する建築を提案する。

作品イメージ

Profile

略歴

1999年 神奈川県生まれ

2018年 神奈川県立横浜翠嵐高校 卒業

2022年 早稲田大学 創造理工学部 建築学科 卒業

2024年 早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻 卒業