(Cultural) Recycle Centre
- La MéMé のクランクの用法の転用 -- 氏名
- 米澤実紗
- 所属
- 早稲田大学院
創造理工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 吉村靖孝研究室
- 作品概要
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【(Cultural) Recycle Centre】:La MéMé(Lucien Kroll)のファサードに見られる手法を転用することで、商品同様に街区に刻まれた文化そのものを陳列するかのような、関係性の変化に富む建築群を設計した。敷地をベルギー・ブリュッセルとし、町並みを歴史的な蓄積により形成された文化的資源と捉え、リサイクルセンターもまた、町の人々の生活に直結したモノが集まる文化的資源の交換所として捉えた。
不動産所有の徹底的な分割化という、ブリュッセル都市計画がもたらした場当たり的で不規則なパッチワークの町並みは見た者に不思議な感覚を与える。La MéMéのファサードでは、入隅と出隅部=〈クランク〉を騙し絵のように実体よりも平面的/立体的に見せ、より複雑に表現することで、ブリュッセルの都市の生成原理を圧縮して再現している。そこで、このLa MéMéの〈クランク〉の用法を転用して、空間の設計に展開したいと考えた。
ブリュッセルの街区を囲む家々が共有する既存の壁を、マテリアル・高さ・勾配をそのままに敷地まで延長することで、閉じた街区の中に多様なクランクが出現する設計手法を考えた。都市からの延長や引用のみで構成した建築の要素が、〈クランク〉の用法により互いに関係を結ぶ/孤立することで空間を形成する。そして空間に商品や人が加わることで都市の記憶と関係を結ぶ陳列の場を設計した。