相談内容

建築条件付土地購入時の注意点(その②)

(4)発生しがちな問題

①同時契約

土地売買契約と同時に建物請負契約を要求する。これにより買主である消費者は停止条件が使えなくなってしまう。
また、充分な設計打ち合わせによる検討ができず、工事費共に曖昧な内容での建築契約を余儀なくされてしまうもので消費者に不利益を強要する販売方法です。
ちなみに、建築プランや価格がすでに決まっている、もしくはほとんど決まっているものから選択させられることも多く、自由に計画できない問題があります。

②違法な仲介手数料
建築条件付土地取引は土地取引であって、建築費(建物価格)を合算して仲介手数料を請求することは違法です。

③一括下請
売主である宅建業者が建設業者としての認可がない、または事実上、建設の能力がない場合、他の業者に丸投げをする事があります。
これは建設業法の一括下請けの禁止という法律に抵触します。

④リベート
仲介の宅建業者が条件付を企画する場合、介在する業者同士でやりとりするリベートを軸として、土地の売主、建築業者、仲介業者、時にはハウスメーカーが繋がっていく構図が生まれ、結局それらのリベートは消費者が負担していくことになります。

⑤欠陥住宅問題
設計・監理・施工管理、時には施工主体さえ曖昧であって、責任の所在や保証が不明なことが少なくない上、特に利ざやを抜いたあとの建築費で下請けに丸投げするような悪質な場合は、きちんとした建築ができるとは考えにくいといわれています。

 

(5)契約後の注意点

請負契約後は工事中に必ず現地へ行き、図面などと現況に相違がないか確かめましょう。
分からないことやおかしいと思うことは施工業者に納得できるまで質問してください。構造などあとで隠れてしまう部分は、建築家など第三者の専門家に助言してもらうのが一番ですが、ご自身でも写真撮影などをしておくとあとで役に立つこともあります。

 

(6)第三者の専門家に事前相談を

以上が建築条件付土地売買契約による住宅入手時の注意点です。
トラブルが少なくないこの供給形態の場合、建売住宅と同じく工事中の施工管理の状態が見えにくく、消費者側の目で監視してくれる設計・監理者がいないため、完成すると見えなくなる部分に特に心配が残るといえます。
高価な買い物ですので、不安な場合は建築家など第三者の専門家に早い段階でアドバイスを求め、設計図書・見積書の整合性や契約書類、工事中の検査、引渡し前の検査などを依頼するとよいでしょう。

 

関連ページ
建築条件付土地購入時の注意点(その①)

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