相談内容

Q.建替えかリフォームか

親から土地建物を相続してこれから住もうと考えています。築年数は30年なので水廻りや内装をリフォームすれば大丈夫と思いましたが、とにかく冬の時期、足元が寒くてトイレに行くのが大変です。いろいろな選択肢があると思いますが、リフォームなのかあるいは予算的に建物が小さくなっても建替えすべきかアドバイスをお願いします。

 

A.築30年の建物をリフォームか建替えかで迷われていますが、予算が前提となり、どちらを選択すれば家族が快適に生活できる建物が得られるかが基本となります。

1)建物の快適要素は、感覚的要素や機能的要素があり幅広く多要素で親子別や年齢、男女などで異なっているものです。家族で望む建物快適要素について話し合い、快適条件をまとめてみましょう。

2)予算内でリフォームと建て替えの長所短所を比較してみましょう。

①リフォームは、既存建物の構造が基本となるため、快適要素が全て満たされるとは限らない事、部分解体後の新設工事となり新旧での取合いが複雑になる事など、既存建物の状態で費用も大きく異なります。

②構造安全性の確認のため耐震診断の実施をお勧めします。耐震診断や耐震補強工事には自治体や公共団体では助成制度があります。

③リフォームは法的にも未整備であり、見積り時点では解らない部分が多く、工事途中での増額や追加工事が頻繁になり技術的に未熟な業者での杜撰な工事が行われトラブルが多発しているため、リフォーム専門業者の営業には注意しましょう。 

④建替えは、既存建物解体後の新築工事となるため予算により新築建物規模や設備は左右されます。また、用途地域や防火規制等の変更で既存建物より規模縮小や耐火性能を要求される事もあります。

⑤設計と施工は、分離して依頼し工事は数社による見積りを行う事が望ましいでしょう。

3)上記 1)の快適条件を基に建築計画の専門家である建築家に相談して予算内でどの程度の建て替えが可能か、リフォームではどこまでの快適要素が入れられるかなどを把握してみましょう。

4)キッチンセットや浴室、洗面化粧台、空調機等の住宅設備に対する考え方は築30年前の住宅設備と現在の設備では全く異なっており3)での把握を基にリフォームでどこまで対応して住み続けるか、また予算内での建替えで新築するのかを決定していきましょう。

 

 

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