相談内容
高齢者向け住宅①
Q.高齢になっても住み続けられる住まいを考えています。高齢者にとって住み続けることを妨げる要因「バリア(障壁)※」を教えて下さい。
A.住まいのバリア(障壁)は、次のことが考えられます。
■動線
・寝室から水回りの場所までの距離がある、行き方が複雑。
■段差
・地面と玄関ポーチ、玄関たたきと玄関ホール、洗面所、浴室、階段、廊下と畳の部屋など。
日本は雨や雪が多く、湿気があるため、これらを「さえぎる」ために段差がつけられた。
湯船の外で身体を洗うという入浴習慣から、浴室床を落とし洗面所との間に段差を設けた。
■通路や扉などの建具の開口部の幅や形状、開け勝手
・車いすを使用するようになると居室の出入りが問題になる。扉の開け勝手や幅により使えにくくなる。
また従来の廊下の幅では車いすで曲がりきれなくなるなど。
■広さ
・動きが緩慢になり、これまでの広さでは、行為がしにくくなる。玄関や、浴室、洗面・脱衣室・便所など介助しやすいように、さらに車いすが操作しやすいように広さが必要。
■仕上げ材
・伝い歩きする場合、肌触りが気になる壁材。汚れ易い仕上げ材。滑り難い床材。
■照明・音
・階段など照明が1ヶ所しかないと影ができ、段鼻やスイッチの位置がわかりにくい。
まぶしい光源。玄関の鍵穴が見えにくい。
聞こえにくいチャイムや電話の着信音、聞こえにくいTVの音
■温度差
・居室と廊下、便所、洗面所、浴室など水回りの温度差が身体に影響する。
■家具の配置や敷物他
・動線の妨げ、躓き、スリッパによる滑り・転倒等。
■生活様式や習慣等
・布団の出し入れ、多層に移動する生活、飲酒後の入浴、寝タバコなどの習慣。
※参考
世の中にある「バリア(障壁)」は下記が考えられています。
物理的 ⇒ 建物やまち、交通機関等
心理的 ⇒ 視線や言葉
制度的 ⇒ 条件不利
情報・文化的 ⇒ 情報授受困難
住まいについては、建物やまち、交通機関等の「物理的なバリア」です。