1.はじめに
(1)タイル外壁は美観を半永久的に保つことができるでしょうか?
 答えは、美しい外壁を維持していくには計画修繕が必要だということです。
タイル外壁は建物の資産価値を上げることができ、豪華な美観となり人気が高いのですが、一方、剥落・脱落の事故危険性があり、管理を怠ると管理者の責任が問われることとなります。管理者を悩ませる剥落につながる「浮き」の部位と要因はどのようなものがあるのでしょうか。タイル仕上げにおける、仕上層の剥落につながる浮き・剥離は以下の界面で発生します。

 これらの浮きは拘束されている2種類の材料が、乾燥収縮や温度変化によって伸縮など様々な要因によって異なる動きをしたとき、その界面に応力が発生し、その応力が接着強度を上回った場合に生じます。また、タイルの張替えやピンネット工法など改修に相当な金額がかかった上に、仕様によっては外壁のテクスチャー全く変わってしまうことがあります。外装タイル張り仕上げ層の剥落事故は建物の維持管理上大きな問題となっており、現在では様々なタイル張り外壁剥落防止工法が施工されています。工事を実施する前に既存のタイルの種類を知っておくことが重要です。
タイルの種類には小口平、二丁掛、三丁掛、四丁掛 、モザイクタイルなど があり、素地(きじ)による分類には磁器、せっ器質、陶器質などがあります。しかし全てのタイルに施工できるわけではありません。条件としては、
1)躯体はRCかPcaとし、躯体に損傷が無いこと。
2)タイル素地は磁器、せっ器とし、釉(うわぐすり)の有無は問わない。
3)タイル表面に塗料が塗布されたタイル場合は除去が可能なこと。
4)タイルの大きさは二丁掛けタイル以下のサイズとする。
5)タイル表面からコンクリート躯体まで50mm以内であること。
などです。
他にも条件はありますが主だったものはこの5つです。悩みの種は特殊なケースでありデザイン性を要求されることです。特に深目地だったり特殊なタイルは、デザインは良いのですが改修には不向きだったりします。エバーガードは従来工法に比較すると特殊性への対応は優れている範疇に入るといっていいでしょう。


(2)タイル仕上げの美観を追求したエバーガード。
 外装タイル張り仕上げは、優れた耐久性、高級感を有する外壁仕上げとして商業ビル、集合住宅等で数多く採用されています。
しかし、剥落事故は建物の維持管理上大きな問題となっており、その対応に向けて様々なタイル張り外壁剥落防止工法が仕様化されています。
現在、主力の外装タイル張り外壁剥落防止工法は、ガラス繊維、または有機繊維等の補強布とポリマーセメントモルタルからなる工法ですが、既存タイルをポリマーセメントモルタルで覆い隠してしまうため、タイルの質感を復旧するには、施工後、再度タイルを張る必要があります。
その点、ダイフレックスでは1993年より、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなるタイルの質感保持が可能な工法、「ネオタイリング工法」を販売し実績をあげてきましたが、有機溶剤の使用による施工環境面の制約や、意匠面での制約、施工性の問題など、施工困難な現場が多いのが現状でした。
そこで「施主の要求に応えられる、タイルの質感保持を重点に置いた剥落防止工法」の開発が望まれていた。この度、ダイフレックスが提案する外装タイル改修工法は「剥落防止機能」を中心に、「外装タイルの質感保持」をテーマに開発した新しい工法です。
スクラップアンドビルドから建築ストックの保全・活性化が叫ばれる現在、有効な改修方法としてのダイフレックスからの新しい提案です。