2.開発の経緯
 平成7年の兵庫県南部地震以降、外装タイル張り仕上げの改修工法が注目を浴び、平成7年度には建設省告示第1860号に於いて、アンカーピンと繊維ネットを組み合わせた工法を中心に多くの「外壁複合改修構工法」が評価を受けた。しかしながら、その多くは仕上げに塗装材を塗布するか、再度外装タイル張り仕上げを行なうものである。
また、既存外装タイルの意匠性を活かした株式会社ダイフレックスの「ネオタイリング工法」(不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維をアンカーピンで固定)の様な外装タイル張り剥落防止工法もあるが、施工性、環境対応に改善の余地を残している。
  『繊維混入アクリル樹脂エマルション』+『アンカーピン』による改修工法は、外装タイルの意匠性を活かし且つ、前述の問題点を改善することを目的とした工法である。
外装タイル張り剥落防止工法の性能評価を実施して、外装タイル張り仕上げ補修分野の新しい類型の確立を目指し実施した。