3.従来の機器との比較
@クリーンな走行状態
走行原理で述べましたが、極めてクリーンで発塵箇所が限られ、しかもその発塵量は微少です。

Aシンプルな台車構造
台車にはモーターやキャリアや電装品を到着せず、搬送容器を保持する容器部分と、フレーム、駆動台車部分で構成されています。

図-3 ATCキャリア2

B高速搬送性能
水平と垂直の三次元空間を走行する台車は、軽量化と強度のバランスを保ことはもちろん、ステアリング機構を設け、曲がりレールを走行する際の車輪の追従性を高めることで、走行安定性を向上させました。また、騒音対策として、台車の走行輪径、材質に配慮することはもちろん、レール接続部には、レールの温度差による伸びを吸収するため、隙間を設けるのが常識ですが、その際の段差をなくすエキスパンジョイント方式を採用することで、気送管に準じた実用速度4m/秒(最高速度8m/秒)を実現させました。

C同一設備で三次元搬送が可能
従来の台車設備では、水平搬送装置と垂直搬送装置を組み合わせることで三次元搬送をしていました。各搬送装置間の処理能力の差が障害となっていました。そこで、同一設備で水平走行や、垂直走行をおこなう三次元搬送を可能としました。

D充分な搬送容量
多種多様な搬送物の出し入れが容易なアタッシュケース形状を採用し、330W×480L×100Hmの大容量を確保しました。

E同時に複数台の走行が可能
ゾーン制御方式を採用し、同一設備内に複数台の台車が走行することで、高頻度搬送に対応できます。

図-4 複数台連続走行

従来の台車式搬送機は、トロリー集電式やバッテリー式などのモーター式であり、集電装置、駆動装置、制御装置などを実装する必要がありました。搬送台車は搬送重量の数倍となり、必然的にエネルギー効率も悪くなりました。そこで、駆動装置、制御装置を外部に設置することで、台車部分をシンプルに仕上げ、動く、停まる、の基本性能をあげることと、メンテナンス部品の最小化が実現できました。