1986 年生まれ
2009 年 東京藝術大学美術学部建築科 卒業
2010 年 ドイツ、ベルリン工科大学大学院建築科 留学
2011 年 スイス、チューリッヒにてインターンシップ
2013 年 東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻 卒業
音と建築 - The Relationship between Sound and Architecture -
- 氏名
- 和田 郁子
- 所属
- 東京藝術大学 美術研究科 建築専攻
- 研究室
- 元倉研究室
作品概要
今日の日本のまちでは内側の空間が快適になった代わりに、人や物の気配は建築の中へ閉じ込められ、気配や音が聴こえなくなりつつある。それは私たちの生活と周囲の環境との関係性がどんどんと薄れていった結果でもあり、ここで私は今一度、音と建築の関係性を問い直したいと思う。本制作では水の音に着目し、スパ・温泉施設を設計する中で、音と空間、音と建築の関係性を実際に考えた。
設計にあたり1.音の分解、2.音の再編、3.再構成という3段階を踏み、全体を1つの曲を作曲するかのように設計していった。第1段階では、普段事象として聴いている音を一つ一つの音に分解し、視覚化した。第2段階では、それらの音をもう一度スパ施設の個々の空間ごとに再編し、どの音がどこでどのくらい聴こえるのかを決め、その空間をスコアとして書き出した。そして、このスコアを基に音を演出する要素として、空間の大きさ、素材、光に還元していった。最後、第3段階では第2段階のスコアを再構成しながら敷地へ配置し、建物を音楽となぞらえて、一曲の曲を作曲するかのように設計していった。そして、訪れた人がスパ施設を経験していく中で建築が一つの曲として、時間、季節、環境を反映しながら浮かび上がってくる。
人間の五感の一つである聴覚という視点から建築を設計することで、より体感的に豊かな建築や都市ができるのではないか、その一つの提案として今回の修士制作を位置づけたい。
設計にあたり1.音の分解、2.音の再編、3.再構成という3段階を踏み、全体を1つの曲を作曲するかのように設計していった。第1段階では、普段事象として聴いている音を一つ一つの音に分解し、視覚化した。第2段階では、それらの音をもう一度スパ施設の個々の空間ごとに再編し、どの音がどこでどのくらい聴こえるのかを決め、その空間をスコアとして書き出した。そして、このスコアを基に音を演出する要素として、空間の大きさ、素材、光に還元していった。最後、第3段階では第2段階のスコアを再構成しながら敷地へ配置し、建物を音楽となぞらえて、一曲の曲を作曲するかのように設計していった。そして、訪れた人がスパ施設を経験していく中で建築が一つの曲として、時間、季節、環境を反映しながら浮かび上がってくる。
人間の五感の一つである聴覚という視点から建築を設計することで、より体感的に豊かな建築や都市ができるのではないか、その一つの提案として今回の修士制作を位置づけたい。