作品詳細

Gradational Boundary - 柔らかな境界いたの重層構成を用都市から室までの提案 - 

佳作

氏名
占部 将吾
所属
東京電機大学大学院 未来科学研究科 建築学専攻
研究室
山本圭介空間デザイン研究室

作品概要

都市と建築の境界を考え直したい。
安全性と開放性、二つの相反する機能を併せ持つ境界の必要性を現代社会に提起します。

近代以降の都市と建築は安全性のみを重視した強固な境界(鉄製の扉やオートロック、高い塀やシャッターetc)の発達と使用により両者の関係が断絶している。そのため他人を寄せ付けない排他的な街路と閉じられた建築が反復され、活動領域の縮小化、対人関係の希薄化、都市の均質化といった併害を抱えている。

私はこれに対してかつて伝統的住居に用いられていた柔らかな境界とその重層構成に着目し、空間実測を基に分析と性能の実証を行った。都市から室までの経路図を作成し、伝統的住居と現代的住居の例を比較しながら境界要素を抽出、記号化、序列化し、安全性と開放性を併せ持つ境界のモデルを作成した。その特性を活かし、都市から室までの関係を段階的に調節することのできる柔らかな境界を幾重にも纏った建築を提案する。

強固な境界を用いずに都市から室のヒエラルキーを融解させることで、人々が境界を介して時には様々なものや人、都市や自然と関係し合い、時には分節されるような状態を目指した。
これらは今後見込まれる多様な生活スタイルへの柔軟な対応や、人的ネットワークを再構築するべく都市と建築に投げかける境界の可能性を示している。
プロフィール
占部 将吾
1989年 千葉県生まれ
2011年 東京電機大学卒業
2013年 東京電機大学大学院修了

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