ロージェへの違反 - 力学的装飾による空間の拡張 -
- 氏名
- 常田 悠太
- 所属
- 東京理科大学大学院 理工学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 初見研究室
作品概要
本設計では、近代からつづく閉ざされたパッケージとしての建築に終止符を打つべく、その根底にあった構造的合理性に基づく構築からの脱却を図った。このような構成の建築は、表層の操作によって内外の繋がりを作ろうとしても建築としての完結性が内部を独立させてしまう。
本設計においては構造で可視化される力の流れを構造的側面のみならず領域的側面でコントロールし、その流れが創る特殊な領域性を独立させることで、構造そのものが強い空間性をもちつつ、他の空間を支えるという状態を起こす。この状態が建築の完結性を崩し、建築が環境として機能するわけである。この、領域的側面で流れをコントロールする操作を力学的装飾と名付ける。
まず、ノートルダム大聖堂などの力の流れが表現された建築を参考に、流れによって得られる特殊な空間要素を2つ抽出した。ひとつは「流れによる拡張性」、もうひとつは「流れの終点に発生する場の吸着性」である。そして、それらの要素を建築の原点といわれる単純な4本柱の架構に施したものを基本モデルに、そこから住宅・空き家リノベーション・文化施設の3つの展開を行うことで、力学的装飾の汎用性とその効果の有用性の獲得を目指した。
1988年 |
富山生まれ |
2011年 |
東京理科大学理工学部建築学科 卒業 |
2013年 |
東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻 卒業 |
賞歴
2011年 日本建築学会設計競技入選
2012年 第19回空間デザインコンペティション入選
2013年 東京理科大学大学院修士設計最優秀賞