作品詳細

意味の円環

氏名
吉田 尚平
所属
東洋大学大学院
福祉社会デザイン研究科 人間環境デザイン専攻
研究室
櫻井義夫研究室

作品概要

ル・コルビュジェの白の時代の建築作品を体験し、「白の時代」を代表する作品であるサヴォア邸で、家具が「目立って」いる印象を受けた。統一されたような、しかし混濁したような様々な家具に向かって意識が引っ張られていくような感覚を受け、興味を覚えた。また、このような感覚はル・コルビュジェの絵画作品にも感じられ、ル・コルビュジェの絵画と建築とが、同様の空間の質を持っているように思えた。
ル・コルビュジェの白の時代の建築作品と同時代の絵画に描かれた様々な構成要素(=objet-type)が組み合わさることで現象する「相互作用の網」によって、構成要素の「形態」と「機能」のもつ意味が変化し続けていく(意味の円環)空間の構成法を自らの設計手法とし、一軒の住宅を設計した。長く続く「床」と様々な大きさを与えた「窓」としてのヴォリュームを「形態」が重なるように組み合わせることで、「床」は、「窓」との高低差によって「机」になり、「天井」になり、「長椅子」になり、「キッチンカウンター」へと変化し「機能」を互いに定義しあう状態となる。「床」の意味が、解釈の中で無限にクルクル回りながら変化し、定着しないような状態を生み出すこ空間に想像上のひろがりを感じ取ることができる、新しい距離の概念を生み出すことを意図した。
プロフィール
吉田 尚平

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